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コラム「カンキョウ」
優良遺伝子は空を飛ぶ


 近年、国や各県研究機関は地球温暖化に対応するため食料生産の技術開発に凌ぎを削っている。水稲、ムギ、飼料作物、果樹、野菜などの新品種開発競争はすごい。
 例えば水稲は温暖化で品質低下が著しいが、これに対応できる耐性品種が必要になってきた。
 温暖化で日本列島の緯度が2度くらい北上して中国地方気候が東北地方へ移ったようなものだ。
 昭和末期に私たちが開発した酒米品種「八反錦1号」に広島県発祥の「八反」系の優良遺伝子を認めた福島県の研究者は山形県生まれの「出羽燦々」と交配して「夢の香」という新品種を創った。
 さらに北海道のブリーダーは更に早熟な「八反錦2号」の優良遺伝子を北海道生まれの「きらら397」と交配して「吟風」を創った。各県の研究者たちは自分の県の気象条件に合う新品種開発に躍起になっているのだ。
 人の脳には発想アイディアと云う遺伝子がいる。その遺伝子は時間、空間を超越してどこへでも飛んでいく…広島「八反」の優良遺伝子は研究者の脳の遺伝子を介してより新しい品種を誕生させている。
 吹出さないで…他県の開発競争ぶりをご覧あれ!北から…。
  「大地の星」「ゆめピリカ」(北海道)。「つがるロマン」(青森)。「いわてっこ」(岩手)。「かぐや姫」(宮城)。「あきたこまち」「めんこいな」「ひとめぼれ」(秋田)。「つや姫」(山形)。「ふくみらい」(福島)。「とねのめぐみ」(茨城)。「なすのひかり」(栃木)。「ゆめひたち」(群馬)。「ちば28号」(千葉)。「さけ武蔵」(埼玉)。「湘南6号」(神奈川)。「ゆきん子舞」「新潟次郎(新潟)。「てんこもり」(富山)。「能登ひかり」「ほほほの穂」(石川)。「フクヒカリ」「内助の功」(福井)。「あさひの夢」(山梨)。「天竜乙女」(長野)。「いのちの壱」(岐阜)。「誉富士」(静岡)。「あいちのかおり」(愛知)。「みえのゆめ」「伊勢錦」(三重)。「ゆめおうみ」「レーク65」(滋賀)。「兵庫牛若丸」「兵庫恋錦」「兵庫ゆめおとめ」(兵庫)。「とりの泉」(鳥取)。「神の舞」 (島根)。「吉備の華」(岡山)。「西都の雫」(山口)。「あわみのり」 (徳島)。「さぬきよいまい」(香川)。「愛のゆめ」(愛媛)。「南国そだち」(高知)。「つくしろまん」(福岡)。「さがびより」「たんぼの夢」(佐賀)。「あさひの夢」(長崎)。「森のくまさん」「熊さんの力」「バンバンザイ」(熊本)。「おおいた11」(大分)。「さらり宮崎」(宮崎)。「夢はやと」「はなさつま」(鹿児島)。「ちゅらひかり」(沖縄)…などずらり、自慢げに命名していて県民性も覗ける。これは一部だがこうまで各県が自県開発にこだわるのだ。
 広島県はふた昔前に私たちが創った「あきろまん」「こいもみじ」などがあるがもう古い!
 ところが…こんな状況を知らずにか、5年前、前知事は費用対効果がない、他県の品種を借りればいいと育種事業を廃止した。
 各県が自慢の品種を使用許諾してくれますか?朗報あり次回に。

(前重 道雅 県立広島大学講師、農学博士)



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